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お肉のプロが伝授!おいしさをキープする牛肉の冷凍・解凍テクニック
こんにちは!さがえ精肉販売スタッフの大槻です。
普段なかなか高くて手が出ない牛肉。スーパーの特売日でたくさんGETした日には使い切れなくて、とりあえず冷凍しとこ!ってなりますよね。
でも冷凍や解凍に悩みはつきもの…たとえば
●お祝いでいただいた黒毛和牛を食べきれなかったとき。
「せっかくの牛肉だから、おいしさを逃さずに冷凍したい!」
●冷凍庫の奥に眠っていた牛肉の化石を発見したとき。
「あれ、これいつ冷凍したやつだっけ?まだ食べられるかな?」
●今晩のメニューで牛肉を使おうとしたとき。
「ヤバイ!解凍するの忘れてた!どうやったら早く解凍できるかな」
●いざ解凍してみたら…
「あれ、なんか牛肉のココ、黒くなってるけど大丈夫かな」
皆さんも一度はこのような経験があるのではないでしょうか??
そこで今回は、牛肉のおいしさをキープする冷凍・解凍テクニックをご紹介します!
この記事では次のことが分かりますよ♪
冷凍テクニック | 冷凍する前にやること、やっちゃいけないこと、冷凍の保存期間 |
---|---|
解凍テクニック | 時間別解凍方法、NG解凍方法、解凍のギモン |
いいお肉の見分け方 | ドリップ、見た目、色、ラベル表示 |
オススメ牛肉レシピ | すき焼き、しゃぶしゃぶ、ステーキ、焼肉 |
時間がないから早く知りたい!という方はそれぞれの項目をタップして読み飛ばしてもOK!
それでは早速まいります。
おいしさキープ!牛肉の冷凍テクニック
まずは冷凍テクニックから。
皆さんはパックのまま冷凍庫に放り込んだり、軽くラップしただけで終わっていませんか?
簡単にただ冷凍するだけでは味はどんどん落ちてしまいます。
ひと手間をかけておいしさをキープしましょう。
冷凍のコツは「急速」です。その冷凍テクニックをご紹介します。
これさえやればOK!冷凍の手順
1:下処理 ドリップを拭き取る
ドリップとはパックを傾けたときに溜まっている赤い血水のようなもの。
これはお肉から染み出してきたもので、お肉の旨み成分などが溶け出している状態です。
臭みや雑菌が入る原因にもなりますので、まずはキッチンペーパーなどで丁寧にドリップを拭き取りましょう。
お肉の下にドリップを吸収するシートがついている場合は外してくださいね。
2:肉の量 薄切りは一枚一枚、ひき肉は小分けに
大量に塊のように冷凍してはいけません。全体の表面温度がバラバラになり、解凍するときにムラができてしまいます。
お肉の種類ごとに分けてラップをしてください。
- 薄切り肉…一枚ずつまたは重ならないように薄く並べる
- こま切れ肉…なるべく平らに
- ひき肉…薄く平らに伸ばして小分け
- ブロック肉…空気が入らないようにぴったりラップ
3:使うもの ラップと密閉できる袋
ラップと密閉できる袋、この2つ両方を使って冷凍をします。なるべく空気を入れないように保存するのが大事です。
普段ラップだけで済ませることが多いと思いますが、ラップの種類によっては冷凍の過程で粘着力が弱まり剥がれてしまうこともあります。
空気に触れてしまうとお肉が酸化したり、霜がついたりしてしまいます。
保存容器は空気に触れやすいので避けてください。また、ラップに包んだお肉をさらに密閉できる袋に入れるとより安心です。
袋によってはフリーザーパックなどの名前で冷凍用に販売されているものもあります。
4:保存場所 冷凍庫の急速冷凍室
(画像引用:Panasonic)
冷凍庫は冷凍庫でも、急速冷凍室がベストです。
最近の家庭用冷蔵庫にはこの急速冷凍機能が備わっていて、食品の品質を落とさずに冷凍することができます。
よく金属のトレイが付属でついていますよね。金属は熱伝導率がいいため、すばやく冷凍することができます。
もしお持ちの冷凍庫に急速冷凍機能がついていない場合は、金属製のトレイを入れるかお肉をなるべく薄くして冷凍に時間をかけないようにしましょう。
コラム〜下味や調理済みの場合〜
料理の時間短縮のために、下味をつけてから冷凍したり、調理したものを冷凍することがあると思います。
これらもとくに冷凍しても問題はありませんが、空気を抜いてなるべく薄く平らにして密閉できる袋などに入れてください。
また調理済みの場合は必ず粗熱をとってから冷凍庫に入れるようにしましょう。
なぜ粗熱をとってから冷凍庫にいれるの?
熱いものを冷凍庫に入れてしまうと、冷凍庫内の霜の原因になります。
霜ができると冷凍庫の故障にも繋がるのでご注意ください!
さらに、粗熱を取らないと冷凍庫内の温度も上がってしまうので、既に冷凍庫で保管していた他の食材が劣化してしまう可能性も。
「粗熱を取る」とは「手でさわれる程度」まで冷ますこと。出来立てアツアツをそのまま冷凍庫にいれないようにしてくださいね。
これをやったらNG!冷凍の注意点
買ってきたままパックで冷凍
これはよくやってしまいますよね。パックで冷凍すると2つの面でよくありません。
一つ目は酸化。パックの中ではお肉が空気に触れるため、酸化しやすくなります。
二つ目は熱伝導率。パックは熱伝導率が悪いので、素早く冷凍することができません。
パックから必ずお肉を取り出し、手間ではありますがしっかりラップをして、密閉袋に入れて冷凍するようにしましょう。
冷凍庫の開け閉めが多すぎる
あまり気づかないものですが、冷蔵庫・冷凍庫を開け閉めする度に庫内の温度は上がってしまいます。
とくに冷凍したてで、まだ生肉の状態のときに温度変化が激しいのはよくありません。
そのため寝る前などなるべく開け閉めが少ない時間帯に冷凍庫に入れるのがオススメです。
一度解凍したものを再冷凍
基本的には再冷凍はしないでください。
お肉の味や質は確実に落ちてしまいます。また一度解凍したときにドリップが出てしまうと雑菌がついてしまう恐れもあります。
とくに流水解凍やレンジで解凍した場合は、解凍の過程でムラもできやすく、ドリップも出やすいので再冷凍はオススメしません。
なるべく一回で使い切れるように、冷凍する段階から小分けにしておくようにしましょう。
冷凍の保存期間は?
1ヶ月を目安に。ひき肉の場合は2週間。
冷凍したお肉は1ヶ月以内に解凍し、食べ切るようにしましょう。
ひき肉は2週間が目安です。空気が触れる面積が広いひき肉はほかのお肉よりも傷みやすいため保存期間が短くなっています。
いずれにせよ冷凍したお肉は早めに食べましょう。いつ冷凍したか忘れないためにも密閉袋に日付を書くなどして覚えておいてくださいね。
おいしさキープ!牛肉の解凍テクニック
では次は解凍についてです。
「いますぐ調理したいのに解凍を忘れてた!」というとき、急いで解凍したいですよね。
でもおいしく解凍するコツは「ゆっくり」です(冷凍の逆!)。
解凍の仕方やよくあるギモンについてみていきましょう。
時間別オススメ解凍方法
【半日〜1日】冷蔵庫で解凍
一番おいしさをキープできる解凍方法は冷蔵庫での解凍です。
低温(約2〜4℃)でゆっくり時間をかけて解凍することで、ドリップが出るのを最小限に
抑えることができます。
夏場なら半日程度、冬場なら1日冷蔵庫に入れておきましょう。
さらに時間はかかりますが、チルド室(約1℃)もオススメです。買ってきたばかりでその日使うお肉もチルド室に入れるとより鮮度が保たれます。
【1時間】氷水解凍
どうしても時間がないとき、すぐに解凍したい場合は氷水解凍がオススメです。
密閉袋にお肉を入れたまま、氷を入れたボウルに水をはって解凍させましょう。
ほぼ冷蔵庫と同じ温度を保ちながらも、空気よりも水のほうが熱伝導率がよいので、短い時間で解凍することができます。
氷が減ってきたら都度足します。肉が浮いてくる場合は、重しなどをのせて全部が浸るようにしてください。
【数分】レンジ解凍
レンジ解凍は一番早く解凍できますが、正直あまりオススメできません…。
冷凍したときにうまく包めていないと解凍ムラができ、溶けた部分に反応して加熱してしまう恐れがあります。
それでもレンジで解凍する場合は、ラップを外しキッチンペーパーを引いて解凍してください。解凍で出てくる水分やドリップを吸収してくれます。
レンジに解凍モードがある場合はそのプログラムを選択し、ない場合は100W程度の低いワット数にして少しずつお肉の様子をみながら加熱してください。
【絶対NG】常温・ぬるま湯解凍
常温で室内に放置したり、ぬるま湯で解凍してしまうと、急激な温度変化でドリップが出やすく、雑菌が増える恐れがあります。
衛生上の観点から常温・ぬるま湯で解凍することはやめましょう。
ちなみに料理する前に冷たいお肉を常温まで戻すことがありますが、その場合は30分〜1時間程度なので問題はありません(夏はもう少し短くなります)。
これ食べていい?よくあるギモン
解凍したら黒く変色していた!
結論からいうと問題がない場合が多いです。
もともと切ったばかりの新鮮な牛肉は赤黒い色をしています。それが空気に触れて酸化することで赤く色素変化をします。
そのため牛肉同士が重なり合っていた部分などは赤黒くなることがあります。
しかし黒は黒でも茶褐色や紫に近い変色の仕方は傷んでいる証拠。とくに緑色は危険です。
少し空気に触れさせてみて黒から赤に変わらない場合は、腐っている可能性が高いので廃棄するようにしましょう。
あとは酸っぱい臭いがする、表面がぬめっとしている、ドロップがとろりとしている、なども腐っている可能性が大です。
冷凍焼けしてるけど食べていい?
冷凍焼けとは、水分が抜けてパサパサとして干からびた状態のこと。冷凍庫での長期保存が原因です。
食べても大きな害はないと言われていますが、酸化が進み、味や質が落ちているのであまりおいしくありません。
冷凍庫の開け閉めによる温度変化でも冷凍焼けがさらに進むので、なるべく早く食べるようにしましょう。
消費期限の日に冷凍してもいい?
使わないまま冷蔵庫に入れてたら消費期限がきてた…!ということはよくありますよね。
消費期限間近のお肉を冷凍できないことはありませんが、やはり生肉は新鮮さが命です。そのまま放っておくと味や質も落ちてしまいます。
買ってきたらすぐに処理して冷凍庫に入れるようにしましょう。
新鮮でおいしいお肉の見分け方
プロの技術や設備がない限り、自宅で冷凍することは味や質を落としてしまいます。
なので重要なのは、いかに新鮮でおいしいお肉を購入できるかどうかです。
スーパーに並んでいる時点ですでに鮮度が落ちている肉を冷凍したら、味や質を下げるだけでなく、雑菌を増殖させてしまうかも…!
そうならないためにも、新鮮でおいしい肉を見極めて購入しましょう♪
ポイントをご紹介します。
1.ドリップが出ていないか?
これまでご紹介してきたように、ドリップとはパックなどに溜まっている血水のような液体です。
これは肉の旨み成分が溶け出している証拠で、味や品質が低下しているだけではなく、雑菌が繁殖する原因にもなります。
パックを傾けてみてドリップが流れ出てこないか、肉の下に敷いているシートはドリップで赤く染まっていないか、などを確認するようにしましょう。
2.赤身の部分はくすんでいないか?
牛肉が重なり合っている部分が赤黒いのは問題ありません(酸化すれば赤くなります)。
ですがパックから見える範囲で赤身がくすんでいたり、茶褐色に近づいているような色をしていたら避けるようにしましょう(そもそもそういう肉は置かないとは思うのですが…)
おつとめ品のお肉などは注意して見たいですね。
理想的な色は、少し赤っぽく、深いワインのような色をしているもの。乾燥した感じではなく、艶があるものを選びましょう。
3.脂肪は乾燥していないか?
赤身から剥がれかけていたり、明らかに乾燥しているものは避けてください。
また理想の脂肪の色は、艶がある乳白色をしたものです。黄色に近づけば近づくほど劣化しています。
とくに黒毛和牛は赤身にキメ細かなサシが入るのが特徴。サシが大雑把に入っているものは避けるようにしましょう。
4.解凍肉かどうか
先ほどもご紹介した通り、一度解凍したものを再冷凍するのは避けたほうがよいです。
味や品質は確実に落ちてしまいます。
とくに傷みやすいひき肉の解凍品は必ず使い切るようにしましょう。
パックのラベルなどに「解凍品」と書いてあるはずですのでチェックしてみてください。
お肉をもっとおいしく。肉屋の絶品レシピ
ではここからは番外編で、お肉をおいしく召し上がっていただくためのレシピをご紹介します♪
ご紹介するのはさがえ精肉で取り扱っている、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ステーキ、焼肉の4つ。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
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まとめ
さてここまで牛肉の冷凍・解凍テクニックをご紹介してきました。
まとめると…
冷凍テクニック |
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---|---|
解凍テクニック |
|
注意したいこと |
|
となります。
牛肉を冷凍することは便利ですが、せっかくならば味は落としたくない…!手間は少しかかるかもしれませんが、その分おいしく食べられますよ♪
また私どもさがえ精肉は、お肉のプロとして徹底した品質管理を行っています。
鮮度そのままに日本全国へ届けるため、冷凍でお届けしておりますので、ご興味がある方はぜひ以下のバナーから商品をご覧ください。
ぜひ米沢牛・山形牛の新鮮かつ最高品質の味わいもお試しくださいね。